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平成24年度から生命保険料控除制度が改正されます。
改正される生命保険料控除制度のポイントは以下のとおりです。
◎適用条件
新しい生命保険料控除制度(新制度)は以下の場合に適用されます。
・平成24年1月1日以降に新しく生命保険の契約を締結した場合
・平成24年1月1日以降に従来の生命保険の中途付加を行った場合
・平成24年1月1日以降にご契約の更新が発生した場合
※上記の該当しない場合は、従前の生命保険料控除制度(旧制度)が適用されます。
◎「介護医療保険料控除」の創設
従来の「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」に加え、介護・医療保障を対象とした契約の支払保険料について「介護医療保険料控除」が新設されます。
※介護医療保険料とは、入院・通院などにともなう給付部分に係る保険料になります。
◎全体の控除限度額・各控除区分ごとの控除限度額の変更
制度全体での所得税の所得控除限度額が120,000円に拡充されます。住民税は70,000円のまま変更はありません。
また「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の適用限度額が所得税40,000円、住民税28,000円に変更となります。「介護医療保険料控除」の適用限度額も同額となります。
全体の控除限度額

各区分ごとの控除限度額

◎生命保険料控除のシミュレーション
[CASE1]
新旧両制度の適用対象契約に加入で、旧制度適用控除額が40,000円超のケース

●ポイント
一般生命保険料控除、個人年金保険料控除については、旧制度の適用対象契約の控除額が40,000円を超えているため、旧制度のみの控除が可能です。また介護医療保険料控除については新制度のみの適用となります。控除額の合計は132,500円ですが、新制度の適用限度額が120,000円のため、全体での控除額は120,000円となります。
[CASE2]
新旧両制度の適用対象契約に加入で、旧制度適用控除額が40,000円以下のものと、40,000円超のものが混在するケース

●ポイント
一般生命保険料控除については、旧制度適用控除額が40,000円以下のため、新・旧の合計で40,000円の控除額となります。個人年金保険料控除については、旧制度の適用対象契約の控除額が40,000円を超えているため、旧制度のみの控除が可能です。また、介護医療保険料控除については、新制度のみの適用となります。控除額の合計は122,500円ですが、新制度の適用限度額が120,000円のため、全体での控除額は120,000円となります。
担当 高橋 将史
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今まで税務調査に関しては調査手続きの細目規定はありませんでした。そこで平成23年12月の税制改正における国税通則法の一部改正で税務調査手続が法定化されました。
主な改正項目については以下のとおりです。
◎税務職員の質問検査権
税務職員は調査等について必要があるときは、納税義務者等に質問し、帳簿書類やその他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む)の提示若しくは提出を求めることができることとする質問検査権に関する規定について、横断的に整備されました。(通則法74の2〜74の6)
◎税務調査において提出された物件の留置き
税務職員は、国税の調査について必要があるときは、調査において提出された物件を留め置くことができることとされました。(通則法74の7)
◎税務調査の事前通知
税務調査の際には、あらかじめ納税義務者及び税務代理人に対し電話等により調査開始日時等の調整をしたうえで、法定化された事前通知事項を納税義務者及び税務代理人に通知することとなりました。
通知内容
・実地の調査を行う旨
・調査開始日時
・調査開始場所
・調査の目的
・調査の対象となる税目
・調査の対象となる期間
・調査の対象となる帳簿書類その他の物件
(国税に関する法令の規定により備付け又は保存をしなければならないことと
されているものである場合にはその旨を併せて通知)
・調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所又は居所
・調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
(当該職員が複数であるときは、代表する者の氏名及び所属官署)
・調査開始日時又は調査開始場所の変更に関する事項
・事前通知事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合には、
当該事項に関し調査を行うことができる旨
◎税務調査の終了の際の手続き
調査終了の際の手続きについては次のとおり整備を行うこととされました。
@税務署長等は、実地の調査を行った結果、更正決定等をすべきと認められない場合には、
その調査において質問検査等の相手方となった納税義務者に対し、
その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知するものとされました。
A調査の結果、更正決定等をすべきと認められる場合には、税務職員は、納税義務者に対し、
調査結果の内容を説明するものとされました。
B上記Aの説明をする場合において、当該職員は、当該納税義務者に対し
修正申告を勧奨することができることとなりました。
この場合においては、当該調査結果に関し納税申告書を提出した場合には
不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、
その旨を記載した書面を交付しなければならないこととされました。
◎適用時期
事前通知及び修正申告等の勧奨の際の教示文の交付については平成24年10月1日以後に開始される調査から適用されます。その他の規定に関しては平成25年1月1日以後に開始する調査又は提出さ
担当 櫻井賢宏 |
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平成24年度の税制改正において所得税関連の改正として特定支出控除についての改正がありました。 当改正は平成25年度分以後の所得税及び平成26年度分以後の個人住民税について適用されます。
<改正前の特定支出控除の特例>
会社員の税金の計算は、給与収入から給与所得控除(事業所得の場合、必要経費に相当するもの)を差し引いた金額により計算します。
改正前の特定支出控除の特例は以下に揚げる特定支出に該当する金額の合計額が給与所得控除金額を超える場合には、確定申告においてその超える部分の金額を給与所得金額の計算上控除することができました。
◎控除対象とされる特定支出の範囲(改正前)(所法57の2A、所令167の3、所規36の5)
項目 |
特定支出の内容 |
通勤費 |
通勤のために通常必要な運賃等の額 |
転居費 |
転任に伴う転居のために通常必要な運賃、宿泊費及び家財の運送費等の額 |
研修費 |
職務に直接必要な技術・知識を習得することを目的として受講する研修費 |
資格取得費 |
職務に直接必要な資格を取得するための費用(注) |
帰宅旅費 |
転任に伴い単身赴任をしている者の帰宅のための往復旅費(月4回を限度) |
(注)資格取得費のうち弁護士、公認会計士、税理士、医師及び歯科医師などの資格取得費は控除対象となりません。
※また、給与等の支払者により補てんされる部分があり、かつ、その補てんされる部分につき所得税が課されない場合におけるその補てんされる部分を除きます。
しかし、改正前の段階では特定支出の範囲が限定的なこと、特定支出の合計額が給与所得控除の額を超えることが稀なことから、この特例を適用する方は極めて少ない現状でした。
<改正後の特定支出控除の特例>
今回の改正点は大きくわけて以下の2点です。
(1)特定支出の範囲の追加(新所法57の2A四、新所法57の2A六) @資格取得費
職務の遂行に必要な弁護士、公認会計士、税理士、弁理士などの資格取得費用 A勤務必要経費
職務と関連のある図書の購入費、職場で着用する衣服費、得意先や仕入先などへの職務に通常必要な交際費
※勤務必要経費については職務の遂行に直接必要なものとして給与の支払者により証明されたもので、支出額の合計額が65万円を超える場合には65万円が限度額となります。また、衣服費については制服、事務服、作業服の他スーツ代も含まれます。
(2)特定支出控除の適用判定・計算方法の見直し(新所法57の2@) @給与等の収入金額が1,500円以下の場合
特定支出の額が給与所得控除の額の1/2を超える場合にはその超過額を給与所得控除額に加算することができる。 A給与等の収入金額が1,500円を超える場合
特定支出の額が125万円を超える場合にはその超過額を給与所得控除額に加算することができる。
例) 収入金額300万円 給与所得控除額108万円 特定支出金額60万円の場合
<改正前>

<改正後>

このように今回の改正により、スーツ代や業務上必要な新聞、図書費も特定支出に含まれること、特定支出の額が給与所得控除額の1/2を超えれば摘要できることから、この制度の適用を受けやすくなったものと言えます。
担当:櫻井 賢宏 |
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2012年6月のトピックスで、改正消費税についてとりあげましたが、この改正により簡易課税制度を選択している事業者についてはメリットが拡大することとなります。
<簡易課税制度とは>
原則として、消費税の納付税額は、通常は次のように計算します。
(課税売上高×5%)−(課税仕入高×5%)
しかし、その課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5千万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。
この制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。
◎みなし仕入率
第一種事業 |
卸売業 |
90% |
第二種事業
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小売業
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80% |
第三種事業 |
製造業等 |
70% |
第四種事業 |
その他の事業 |
60% |
第五種事業 |
サービス業等 |
50% |
<改正によるメリットの試算>
○前提条件
・業種:サービス業(みなし仕入率50%を適用)
・課税売上高 30,000,000円(税抜き)
・課税仕入高 10,000,000円(税抜き)
改正前(消費税5%)
・原則方式 (30,000,000円×5%)−(10,000,000円×5%)=1,000,000円
・簡易課税制度 30,000,000円−(30,000,000円×50%(みなし仕入率))×5%=750,000円
※750,000円<1,000,000円 簡易課税制度のほうが250,000円有利
改正後(消費税8%の場合)
・原則方式 (30,000,000円×8%)−(10,000,000円×8%)=1,600,000円
・簡易課税制度 30,000,000円−(30,000,000円×50%(みなし仕入率))×8%=1,200,000円 ※1,200,000円<1,600,000円 簡易課税制度のほうが400,000円有利
改正後(消費税10%の場合)
・原則方式 (30,000,000円×10%)−(10,000,000円×10%)=2,000,000円
・簡易課税制度 30,000,000円−(30,000,000円×50%(みなし仕入率))×10%=1,500,000円 ※1,500,000円<2,000,000円 簡易課税制度のほうが500,000円有利
上記のとおり、簡易課税を適用している事業者のメリットは、税額が上がるほど原則方式を適用するより増加することとなります。
納付する消費税額は増加しますが、その分売上にかかる消費税も増加しているので(消費者等から多く預っているので)、事業者の負担が増加することはありません。 |
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平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間で生ずる所得について源泉徴収する際には、所得税の2.1%相当分である復興特別所得税を併せて徴収しなければならないこととなります(復興財源確保法28)。
源泉徴収する額は、支払金額に所得税本税と復興特別所得税の合計税率「所得税率×102.1%」で乗じたものを徴収し、その合計金額を源泉徴収票等の法定調書にそのまま記載すればよいので、源泉徴収義務者は単純に税率アップによる処理と同じ処理ですむこととなります。
金融機関等以外の法人にとって、給与所得以外で源泉徴収義務が発生するのは、税理士等に対する報酬や講演料、原稿料があります。今後、これらの源泉徴収税額(合計税額)は、同一人物に対する1回の支払金額が100万円以下の場合10.21%(=10%×102.1%)、100万円超える場合の超える部分は20.42%(=20%×102.1%)となります。
ちなみに税理士報酬は下記のようになります。
・月額報酬30,000円の場合
<改正前(〜平成24年12月31日)>
30,000円×105%(消費税)△(30,000円×10%(源泉税))=28,500円
<改正後(平成25年1月1日〜平成49年12月31日)>
30,000円×105%(消費税)△(30,000円×10.21%(源泉税))=28,437円
※消費税は5%で計算しています。
実際に支払う金額は63円減少しますが、源泉税の支払時に63円分多く納付することとなるので、結果は同じこととなります。 |
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平成24年3月30日に「社会保障・税一体改革の税制抜本改革関連法案」が閣議決定されました。
その中で最も注目を注目を集めているのが「消費税等の一部を改正する法律案」です。
今回は、この消費税改正案の内容についてご紹介します。
(なお、この法案は国会審議中であり、確定したものではないことをご了承願います)
<改正の概要>
1. 消費税の税率
下記の表のとおり引き上げられます
区 分 |
現行 |
平成26年4月1日以降 |
平成27年10月1日以降 |
税
率 |
消費税 |
4%
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6.3%
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7.8% |
地方消費税 |
1% |
1.7% |
2.2% |
合計 |
5% |
8% |
10% |
2. 事業者免税点制度・簡易課税制度
事業者免税点制度及び簡易課税制度については、中小事業者の事務負担への配慮というこれらの制度の趣旨に配意し、制度が維持されることとなりました。
3. 工事の請負等
@平成25年9月30日まで
請負工事等について、前回の平成9年4月1日の引上げ時と同様に経過措置が設けられ「平成25年10月1日(「指定日」)」の前日までの間に締結した工事(製造を含む)の請負に係る契約に基づき、施行日(平成26年4月1日)以後にその契約に基づく課税資産の譲渡等を行う場合には改正前の税率によるとされました(同附則5B)。
建築の請負契約等で、建物の完成が平成26年4月1日以後になる場合でも、指定日前、つまり平成25年9月30日までに締結された請負契約によるものであれば、契約締結時の税率(5%)が適用されることとなります。取引の安定のため、契約金額の締結時に消費税額も確定させるということになります。
A平成25年10月1日から平成27年3月31日まで
@と同様に、建築の請負契約等で、建物の完成が平成27年10月1日以後になる場合でも、指定日前、つまり平成25年10月1日から平成27年3月31日までに締結された請負契約によるものであれば、契約締結時の税率(8%)が適用されることとなります。 |
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今まで支払保険料の全額損金算入が可能だった「がん保険」ですが、平成24年2月29日に国税庁より通達改正に関しての意見公募手続き実施についての案内が公開され、平成24年3月29日に意見・情報の受付が締め切られました。
その結果、平成24年4月27日以降に加入した「がん保険」については、下記のとおり全額損金算入ができなくなりました。
<改正の概要>
=経理処理=
- 計算上の保険期間を105歳とし、保険期間の50%までは保険料の1/2を損金、
1/2を資産計上する
- 上記を経過した後の期間については支払保険料の全額を損金処理するとともに、「1」の資産計上額の累計額を残余期間で取り崩し損金算入する(結果として全額損金算入)
=既契約遡及の有無=
平成24年4月26日以前の契約に係る「がん保険」の保険料については、なお従前の例によります
⇒引き続き全額損金算入となります
と、いうことで今まで加入している「がん保険」については引き続き全額損金算入が認められることとなりました。
<参考URL:パブリックコメント結果公示案件詳細>
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410240007&Mode=2
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収益事業を行わない特定非営利活動法人(NPO法人)については申請を行うことにより、法人住民税均等割の減免を受けることができます。
今回は千葉県の法人県民税均等割と千葉市の法人市民税均等割の減免申請の手続きをご紹介いたします。
<減免申請書の提出期限>
毎年4月1日から4月30日の間に申請しなければなりません。
平成24年については4月30日が休日なので、翌日の5月1日(火)が提出期限となります。
なお、この提出期限は決算月に関わらず、すべてのNPO法人共通の提出期限となるので注意が必要です。
<提出書類>
◎ 均等割申告書 ◎ 減免申請書 ◎ 定款 ◎ 事業報告書 ◎ 収支計算書 ◎ 貸借対照表 ◎ 財産目録 ◎ NPO法人認定書(写)
<その他>
◎ 総会等の都合で提出期限までに添付書類を用意できない場合には、均等割申告書と減免申請書を期限内に提出して、その他の書類は追加で提出することとなります。 ◎ 均等割は期限までにいったん納付を行い、減免が認められてから還付を受けることとなります。
納付の期限は減免申請書の提出期限と同じ4月30日(休日の場合は次の平日)となります。
(千葉市東部市税事務所に確認したところ、事情により減免が認められない場合に納付をしていないと、期限後納付になるので、収益事業を行っていなくてもいったん納付はしてくださいとのことでした)
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平成23年12月の改正により、法人の青色欠損金の繰越控除の期間が7年から9年に延長されることとなりました。
同時に、損金の額に算入できる欠損金の額を、その事業年度の所得の金額の80%を限度とする改正も行われますが、中小法人等には適用されないので、中小法人等の場合は実質的に欠損金の繰越控除の期間が延長されるというメリットのみ享受できることとなります。
改正の内容
(1) 青色欠損金の繰越控除制度において損金の額に算入できる欠損金の額を、その事業年度の所得の金額の80%を限度とすることとされました(中小法人等は適用されません)。
この改正は平成24年4月1日以後開始する事業年度から適用されます(改正法附則10)。
(2) 青色欠損金の繰越期間が7年から9年に延長されました。
この改正は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用されます(改正法附則14@)。
(3) 帳簿保存期間の延長
青色欠損金の繰越期間が延長されたため、帳簿保存期間についても9年間に延長されています。
具体的には、平成20年4月1日以後終了する事業年度に係る帳簿書類から9年間保存しておく必要がありますが、欠損金に係る帳簿保存の規定はその事業年度において欠損金がある場合に限り適用されます。そのため、9年前及び8年前の事業年度が欠損であった場合に限り帳簿書類の保存が9年間必要となります。
参考:中小法人等とは
中小法人等とは次に掲げる法人がこれに該当します(法57J)。
@ 普通法人のうち資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人又は相互会社及び受託法人による完全支配関係がある法人を除きます。また、同一グループ内において複数の大法人により発行済株式等の全部を保有されている中小法人も除かれます。)又は資本若しくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社を除きます。)
A 公益法人等
B 協同組合等
C 人格のない社団等 |
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今年も確定申告の時期がやってきました。
毎年、1月の下旬頃になると、厚生年金や国民年金などの公的年金を受給している方には、日本年金機構から源泉徴収票が届けられることとなります。
年金所得者が確定申告をする際には、これを申告書に添付することになります。
ところで、平成23年分の所得税から、公的年金等の収入金額が400万円以下で、なおかつそれ以外の所得金額が20万円以下である人は、確定申告が不要となりました(
所法121B )。
そのため、たとえ、源泉徴収税額より実際に納付すべき税額が多かったとしても、公的年金等の申告不要の要件に該当するのであれば、確定申告をして不足税額を納める必要はなくなりました。
また、税金が還付される場合であれば、還付申告を行えばよいこととなります。 公的年金等でも、65歳未満の者は108万円、65歳以上の者が158万円を超える額を受給している場合には、原則として所得税が課せられています。公的年金等の支払者には源泉徴収義務があるため、その年、最初に公的年金等の支払いを受ける前日までに、公的年金等の支払者に「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出することで、基礎的控除と扶養控除等の人的控除を適用して計算した税額が源泉徴収されることとなります。
しかし、年の途中で扶養親族等の人数が増減したり、生命保険料控除等の適用を受けたりする場合、源泉徴収税額と実際に納める税額に差額が生じることとなります。公的年金等には年末調整制度がないため、受給者自身が確定申告でその差額を精算する必要があるのですが、申告不要の要件に該当するのであれば、たとえ納めるべき税額が不足したとしても、課税関係は源泉徴収のみで終了することとなります。
そのため、医療費控除などの適用を受けて税金が還付される場合には、還付申告をすればよいこととなります。
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2012年1月のトピックスは前回の続きで「外注費と給与の区分の具体的事例」です。源泉税、消費税の取扱いについて参考にしてください。
所得区分の判定基準(4)
問7 次に掲げるような場合は、「まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できる」場合に該当しますか。
@ 完成品が、引渡し前に台風により損壊した場合であっても、提供した役務に対する報酬の支払を請求できる場合
A 完成品が、引渡し前に台風により損壊した場合には、提供した役務に対する報酬の支払を請求できない場合 |
(答) 1. まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できることは、本件報酬に係る所得が給与所得に該当すると判定するための要素の一つになります。
2. 事例@及びAの場合は、いずれも台風という不可抗力のため、完成品が損壊したものですが、事例@の場合には報酬の支払が請求でき、事例Aの場合には請求できないことから、事例@の場合は、「まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できる」場合に該当し、事例Aの場合は、「まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できる」場合に該当しません。
【参考】
○平成19年11月16日東京地裁(平成20年4月23日東京高裁、平成20年10月
10日最高裁同旨)
本件各支払先としては、原告に対し、ある仕事を完成することを約して(民法632条参照)労務に従事していたと認めることはできず(原告は本件各支払先に対し作業時間に従って労務の対価を支払っており、達成すべき仕事量が完遂されない場合にも、それを減額したりはしていない。)、労働に従事することを約して(同法623条参照)労務に従事する意思があったものと認めるのが相当であり、…本件各支払先に対する本件支出金の支払は、所得税法28条1項に規定する給与等に該当するものと認めることができる。
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所得区分の判定基準(5)
問8 次に掲げるような場合は、「材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く、以下同じ。)を報酬の支払者から供与されている」場合に該当しますか。
@ 手持ちの大工道具以外は報酬の支払者が所有する用具を使用している場合
A 報酬の支払者が所有する用具を使用せず、本人が所有する据置式の用具を建設作業等に使用している場合 |
(答)
1. 材料又は用具等を報酬の支払者から供与されていることは、本件報酬に係る所得が給与所得に該当すると判定するための要素の一つになります。
2. 事例@の場合には、作業に当たり、報酬の支払者が所有する用具を使用していることから、材料・用具等を供与されていると認められます。
一方、事例Aの場合には、報酬の支払者が所有する用具を使用せず、自己が所有する据置式の用具を使用して作業を行っていることから、材料・用具等を供与されているとは認められません。
3. したがって、事例@の場合は、「材料又は用具等を報酬の支払者から供与されている」場合に該当し、事例Aの場合は、「材料又は用具等を報酬の支払者から供与されている」場合に該当しません。
なお、事例Aについては、たとえ本人が手持ち工具程度の用具に該当しない用具を所有している場合であっても、本件報酬に係る建設作業等においてこれを使用していないときは、本件報酬に係る所得が事業所得に該当すると判定するための要素とはなりません。
【参考】
○平成19年11月16日東京地裁(平成20年4月23日東京高裁、平成20年10月10日最高裁同旨)
本件各支払先は、原告から指定された各仕事先において原告代表者又はA社の職員である現場代理人の指示に従い、基本的に午前8時から午後5時までの間、電気配線工事等の作業に従事し、(中略)各仕事先で使用する材料を仕入れたことはなかったこと、ペンチ、ナイフ及びドライバー等のほかに本件各支払先において使用する工具及び器具等その他営業用の資産を所持したことはなかったことなどが認められるところ、(中略)総合的に考慮すると、その労務の実態は、いわゆる日給月給で雇用される労働者と変わりがないものと認めることができるから、このような本件各支払先について、自己の計算と危険において独立して電気配線工事業用を営んでいたものと認めることはできない。 |
総合勘案して所得区分を判定する場合(1)
問9 次のような場合、左官AがB社から受けた報酬に係る所得区分の判定はどのように行うのでしょうか
[例]
● 契約関係:
書面契約はないが、口頭により、マンションの壁塗り等の作業を、1日当たり2万円の報酬で行っている。報酬の支払日は月ごとに決められている。
● 代替性の有無:
左官Aが自己の判断で補助者を使用することは認められておらず、作業の進ちょくが遅れている場合には、B社が新たに左官Cを手配する。左官Cに対する報酬は、B社が支払う。
● 拘束性の有無:
左官AはB社の指示により午前8時から午後5時まで労務を提供しており、予定していた作業が午後5時までに終了した場合には、B社の指示により壁塗り以外の作業にも従事することがある。
なお、予定していた作業が午後5時までに終了せず、午後5時以降も作業に従事した場合は、1時間当たり3千円の報酬が加算して支払われる。
● 指揮監督の有無:
左官Aが作業する果歩や順番はB社から毎日指定される。
● 危険負担の有無:
工事途中に天災等で作業後の壁が破損し、再度作業を行うことになった場合であっても、左官Aに対する報酬金額が減額されることはなく、作業日数に応じた報酬が支払われる。
● 材料等の供与の有無:
こての購入にかかる費用は左官Aが負担し、モルタルや脚立はB社が供与する。 |
(答)
左官が壁塗り等の作業において業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬の所得区分は、当該報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定します。
しかしながら、左官AとB社との間に書面契約が存在せず、契約関係が明らかでないため、所得区分については、事実関係を総合勘案して判定することになります。
今回のケースは、@他人が代替して業務を遂行することが認められていないこと、AB社から時間的な拘束を受けること、B作業の具体的な内容や方法についてB社から詳細な指示を受けており指揮監督を受けること、Cまだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失し、再度役務を提供する場合において、既に提供した役務に係る報酬の支払を請求できること、D手持ち工具を除き、材料や用具等を負担していないことが認められます。
したがって、左官Aがマンションの壁塗り等の作業を行った対価としてB社から受けた報酬は、原則として給与所得の収入金額になります。
※ この回答は、事例における事実関係を前提とした一般的なものであり、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、個々の事実関係に応じて所得区分を判定する必要があります。
総合勘案して所得区分を判定する場合(2)
問10 次のような場合、とび職DがE社から受けた報酬に係る所得区分の判定はどのように行う
のでしょうか
[例]
● 契約関係:
書面契約はないが、口頭により、ビル木造住宅の建設に係る足場の組立て作業を行っている。足場の組み立て作業がすべて終了した後に、所定の報酬が一括して支払われる。
● 代替性の有無:
とび職Dは、自己の判断で補助者を使用することが認められている。とび職Dが補助者としてとび職Fを手配した場合、報酬はすべてとび職Dに対して支払われ、とび職Fに対する報酬は、とび職Dが支払う。
● 拘束性の有無:
とび職Dは午前8時から午後5時まで労務を提供しているが、作業の進ちょく状況に応じて自己の判断で午後5時までに作業を終えたり、午後5時以降も作業を行ったりすることがある。
なお、午後5時までに作業を終えた場合や、午後5時以降も作業を行った場合であっても、とび職Dに対して支払われる報酬が減算ないし加算されることはない。
● 指揮監督の有無:
E社は仕様書や発注書により基本的な作業を指示し、具体的な作業工程やその方法は、とび職Dが状況を見ながら判断して決定する。
● 危険負担の有無:
作業の途中に組み立てた足場が台風により崩れ、再度作業を行うことになった場合であっても、足場の組立作業が全て終了するまでは報酬が支払われず、また、報酬の額が加算されることはない。
● 材料等の供与の有無:
ワイヤロープやクレーンなどの材料及び用具はE社が供与している。
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(答)
とび職が建設作業等において業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬の所得区分は、当該報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定します。
しかしながら、とび職DとE社との間に書面契約が存在せず、契約関係が明らかでないため、所得区分については、事実関係を総合勘案して判定することになります。
今回のケースは、@他人が代替して業務を遂行することが認められていること、AE社から時間的な拘束を受けないこと、B作業の具体的な内容や方法についてE社から指揮監督を受けないこと、C作業の途中で不可抗力のため足場が崩れた場合に、既に提供した役務に係る報酬の支払を請求できないといった事実関係が認められるため、とび職Dが、建設作業等を行った対価としてE社から受けた報酬は、原則として事業所得の収入金額になります。
なお、とび職Dがワイヤロープやクレーンなどの材料及び用具を負担していないことが認められますが、このことだけをもってこの報酬が給与所得に該当するということはできません。
※ この回答は、事例における事実関係を前提とした一般的なものであり、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、個々の事実関係に応じて所得区分を判定する必要があります。
報酬の支払者における所得税の源泉徴収と消費税の仕入税額控除
問11 個人事業者若しくは法人が、建設作業等に係る業務の遂行又は役務の提供を受けたことの対価として大工等に報酬を支払う場合、@所得税の源泉徴収、A消費税の仕入税額控除はどのように取り扱われますか。 |
(答)
1. 個人事業者若しくは法人が、建設作業用に係る業務の遂行又は役務の提供を受けたことの対価として大工等に報酬を支払う場合における所得税の源泉徴収及び消費税の仕入税額控除
については、本通達の判定基準によって給与所得に該当する場合と事業所得に該当する場合とでは取扱いが異なることとなります。
2. 報酬の支払者における所得税の源泉徴収と消費税の仕入税額控除は、以下のように取り扱うこととなります。
@ 報酬の支払者における所得税の源泉徴収
居住者に対し国内おいて所得税法第28条第1項《給与所得》に規定する給与等の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならないこととされています(所法183@)。
したがって、当該報酬が給与所得に該当する場合には給与所得として源泉徴収が必要となり、事業所得に該当する場合には源泉徴収が必要ないこととなります。
A 報酬の支払者における消費税の仕入税額控除
個人事業者及び法人が、国内において行う課税仕入れについては、消費税の仕入税額控除の対象となりますが、所得税法第28条第1項《給与所得》に規定する給与等を対価とする役務の提供を受けることは課税仕入れの範囲から除かれています。(消法2@十二、消法30@一)。
したがって、当該報酬が給与所得に該当する場合には仕入税額控除の対象となりませんが、事業所得(請負)に該当する場合には仕入税額控除の対象となります。
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