キャッシュレス決済の手数料と消費税
令和1年10月の消費税率の引き上げとともに始まったキャッシュレス決済のポイント還元事業によって、キャッシュレス決済に対応した小売店舗等が増加しています。(ポイント還元事業は令和2年6月に終了しています。)
今回は、店舗側がキャッシュレス決済事業者に支払う(店舗側が負担する)加盟店手数料等の消費税経理処理について、確認いたします。
1.クレジットカードに係る決済手数料⇒「非課税」
店舗が負担する決済手数料は、「金銭債権の譲り受け」に該当し、消費税は非課税となります。
2.電子マネー等に係る決済手数料⇒「課税」
いわゆる“チャージ”方式のキャッシュレス決済手段を用いた場合の決済手数料については、「金銭債権の譲り受け」に該当しないため、消費税は「課税」となります。
また、電子マネー等の多様な決済方法を一括して導入する場合など、店舗と決済事業者の間に決済代行事業者が仲介することが多くありますが、店舗が決済代行事業者に対して負担する手数料は、決済代行に係る役務提供の対価として、「課税」となります。
キャッシュレス決済の手数料等について、個別の契約実態等によっては異なる場合もあります。仕入税額控除の計算の際に店舗側は、事業者からの請求書等で手数料に消費税が課されているかを確認し、その内容に応じた処理を適切に行うことが必要となります。
担当:橋本 拓也