「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の延長・拡充
平成31年度税制改正において、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「空き家特例」とする。)」に関する改正が実施されました。
1.改正の背景
平成28年に創設された「空き家特例」では、「相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた(一人で居住していた)」ことが要件となっていましたが、被相続人が相続開始直前に老人ホーム等に入所していたことによって特例が受けられないケースが多かったため、平成31年度税制改正において、老人ホーム等に入所したような場合であっても、一定の要件に該当するのであれば、「空き家特例」の適用が受けられるようになりました。
※ 「空き家特例」とは
相続開始日(被相続人が死亡した日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震基準を満たしたもの、その敷地を含む)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除できる制度。(2016年8月1日付topicsより)
2.改正の概要
① 特例の適用期限の延長
特例の適用期限が、令和5年(2023年)12月31日まで延長されました。
② 被相続人居住用家屋の対象の拡充
- 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。
- 被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。
上記の改正は、平成31年4月1日以後に行われた被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用されます。
担当:橋本 拓也