企業版ふるさと納税とは
今月は平成28年度税制改正より、「企業版ふるさと納税」についてご紹介させていただきます。
企業版ふるさと納税とは?
① 名目は納税だが実態は地方自治体への寄付金
② 所在地に納めるはずの税金を自分が選んだ地方自治体に移転することができる
③ 一般的な寄付金と異なり「国等に対する寄付金」に該当するため全額が損金算入可能
現状のふるさと納税
① 個人での寄付と比較して大幅な税額控除は受けられない
個人での寄付の場合は所得控除以外に税額控除もあり、有利な方を選択できますが、法人の場合は所得控除のみのため、そこまでメリットがありません。
改定後のふるさと納税
現行の「寄附することで課税所得が減る」に加え「寄附金の30%は納税したことになる」ため、より効果的な節税が見込めるようになります。
控除額 | 控除税額の上限 | |
---|---|---|
法人事業税 | ① 寄附額の10% | 法人事業税額の20% ※1 |
法人住民税 | ② 寄附額の20% ※2 ・道府県民税法人税割額から5% ・市町村民税法人税割額から15% |
道府県民税法人税割額の20% 市町村民税法人税割額の20% |
法人税 | ③ 法人住民税で控除しきれなかった額(寄附額の10%が限度) | 法人税額の5% |
※1 地方法人特別税廃止後(29年度から)は15%
※2 29年度以後は,道府県民税法人税割額から2.9%,市町村民税法人税割額から17.1%
注意点
① 財政的に豊かな自治体への寄附は対象外
② 上記図表の様に控除税額に2つの制限がある
◆参考文献
影山 武 著 「法人税」一般財団法人 大蔵財務協会
税務通信 「3398号 企業版ふるさと納税 同日以後の寄附を支出事業年度で控除」
国税庁HP 「寄付金を支出したとき」
担当:斎藤 正悟