平成29年度税制改正大綱(自由民主党・公明党)
自由民主党、公明党両党が平成28年12月8日に「平成29年度税制改正大綱」を発表しました。下記に税目ごとにポイントをまとめました(主に中小企業・個人事業主向けの改正をまとめました)。
1.法人税
項目 | 内容 | 適用時期 | ||||||||||
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所得拡大促進 税制の見直し (減税) |
中小企業者等について、給与支給額の増加額が2%以上である場合における控除税額を、以下のとおりとする。 <改正前>雇用者給与等支給増加額の10% <改正後>雇用者給与等支給増加額の10%+給与増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12% |
H29.4.1以後 開始事業年度 |
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投資促進税制の 拡充(減税) |
中小企業経営強化税制として、以下の表に該当する固定資産を購入し、一定の要件(経営力向上計画の認定を受けるほか)を満たし場合は、即時(100%)償却か7%(特定中小企業者は10%)の税額控除の適用を受けることができる。
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H29.4.1以後 開始事業年度 |
2.所得税
項目 | 内容 | 適用時期 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し (一部減税、一部増税) |
(1)配偶者控除 配偶者控除の額を次のとおりとする。合計所得金額が1,000万円を超える居住者については、配偶者控除の適用はできないこととする。
(2)配偶者特別控除
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H30.1.1以降 |
3.消費税
項目 | 内容 | 適用時期 |
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仮想通貨の 取扱い |
諸外国における課税関係等を踏まえ、仮想通貨(ビットコインなど)の取引について、消費税を非課税とする。 | H29.4.1以後 |
4.相続税・贈与税
項目 | 内容 | 適用時期 |
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納税義務の 見直し |
国内に住所を有しない者であって日本国籍を有する相続人等に係る相続税の納税義務について、国外財産が相続税の課税対象外とされる要件を、被相続人等及び相続人等が相続開始前10年(現行:5年)以内のいずれの時においても国内に住所を有したことがないこととする。 | H29.4.1以後 |
5.地方税
項目 | 内容 | 適用時期 |
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タワーマンション 節税の抑制 |
高さ60メートルを超え、おおむね20階建て以上の新築高層マンションを対象に、高層階ほど増税、低層階ほど減税となるように見直すこととする。 | H29.1.1以降 |
6.その他
項目 | 内容 | 適用時期 |
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届出書の 提出先 |
納税地の変更届・納税地等の異動届・給与支払事務所等の移転届については異動前の税務署に提出することとする(現行は異動前・異動後両方の税務署に提出)。 | H30.1.1以降 |